今回は各加工の仕上がりの違いを見てもらおうと思います。
サンプルの画像はアルミの鋳物で全て同じ物を加工し直しながら使用しています。
撮影の時に光のあたり方がバラバラだったので各画像の写り方が均等ではありませんが雰囲気の違いがわかってもらえたら嬉しいです。
↓まずは加工前の状態をみてもらいましょう・・・コレ、10年物です。
クリアー塗装も剥がれて、腐食による巣穴で表面はボコボコしています。

↓この画像は下地処理加工(サンドブラスト)です。
表面の酸化皮膜を除去して素地をならします。
手で触るとザラザラした感触があり梨地と呼ばれます。
塗装・バフ研磨・めっき加工・光沢処理・微細処理の下地を整えるのに利用します。

↓この画像は光沢処理加工(サンドブラスト)です。
下地処理加工後の表面を球体の研磨材で叩きますとこのように表面に光沢が出てきます。
ショットピーニング効果でギアやボルトの寿命をアップさせる事にも利用されています。
この状態でも仕上げとなりますが、当店では、ポリッシュ仕上げ・鏡面仕上げ・亜鉛めっき加工の下地としても利用します。

↓最近人気のある光沢処理加工の粗目仕上げです。

↓この画像は微細処理加工(ウェットブラスト)です。
光沢処理加工と似ていますが、細かい研磨材を使用するため、より細かい仕上がりになります。
研磨材が素材に食い込みにくいのでキャブレターやエンジン内部の美装にも利用されています。
この状態でも仕上げとなりますが、当店では、ポリッシュ仕上げ・鏡面仕上げの下地としても利用します。

↓微細処理加工は光沢処理加工よりも細かい仕上がりです。

↓この画像は鏡面仕上げ(途中)です。
ちょうど画像がありましたので使用しました。通行人が写っています。
バフ布に油脂を含んだ研磨材をつけて磨きます。
この状態でも仕上げとなりますが、めっき加工の下地としても利用します。

どうでしょうか?
同じ品物でも加工によってさまざまな表情になるのがお分かり頂けましたでしょうか。
旧車は、アルミ鋳物の腐食が進んでいる場合が殆どなので、下地処理→整形→プラサフ→ウレタンペイントが一般的でしょうか。
光沢処理や微細処理は鋳肌がでるので素材の自然な感じがでていてカネコは大好きです。
光沢処理はショットピーニング効果があるので、スプロケットやボルトの亜鉛めっきの下地処理にも利用できます。
こちらは亜鉛めっきの専門店さんです→「街のめっき屋さん」
バフ研磨は、ピカピカですが素地の腐食具合や品物の形状によっては仕上がりが不安定になります。
今回は掲載していませんが、クロームめっきや蒸着めっきも人気がありますね。
ブラスト処理は、塗装、美装、めっき、バフ研磨の基本である下地処理によく利用されています。
下地は仕上がりにとても影響してきますので、ムラにならないようにと作業中はとても神経を使います。
以上のように、お客様の目的、用途によって加工方法が違いますので、聞きたい事がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
★ 関連ページ
・ めっき加工の種類(こまめ知識-その10)
・ アルミパーツのポリッシュ(磨き)仕上げ(こまめ知識-その17)
・ アルミパーツの鏡面仕上げ(こまめ知識-その18)